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長時間労働を監視する霞ヶ関が長時間労働のナゾ

2021.05.24

霞ヶ関の長時間労働が問題になっていることは有名な話です。
働き方改革によって長時間労働の監視や残業代の適正化を推し進めている中央省庁ですが、その中央省庁で長時間労働が横行しています。
こうした矛盾は以前から問題になっているにも関わらず、なぜ改善されないままなのでしょうか?
霞ヶ関の長時間労働の謎について解説していきます。

霞ヶ関では長時間労働が横行している

労働者の長時間労働を監視すべき霞ヶ関では、長時間労働が横行化しているという矛盾があります。
単月100時間を超えるような残業を若手は強いられており、過労死ラインと呼ばれる月80時間の時間外労働を超えています。
そのため、若手の離職率の高さや、就職を希望する若者が減少していることが問題になっています。
しかも、コロナ禍にも関わらずテレワークをしていないという官僚も多く、民間にテレワークを推進しながら自分達はテレワークをしていないという矛盾も発生しています。

なぜ霞ヶ関で長時間労働が起こるのか

霞ヶ関の長時間労働の原因の1つに、アナログな働き方が挙げられます。
一般企業ではペーパーレス化が進んでいますが、霞が関では紙媒体で資料の確認を行う議員が未だに多いと言われています。
そして、若手が大量の資料を印刷して大臣などが読みやすいようにマーカーを引くなどして納品を行っています。
また、国会議員の事前の質問通告が遅いことも長時間労働の原因です。
質問通告は2日前までに行うというルールが設けられているものの、ルールを守らない議員も多くなっています。
そうすると、直前に提出されたものを夜通しで対応することになるので残業が発生します。

どうすれば霞ヶ関の働き方は変わるのか

2018年の試算によると国会開会中になると残業代は102億円、タクシー代で22億円に及ぶとされ、その残業代は国民の税金から支払われているのです。
労働環境の適正化の旗振り役が長時間労働を当然のように行っていることは問題であり国民がしっかりと声をあげて是正を求めるべきではないでしょうか。
霞ヶ関も民間企業のように働き方改革が取り込まれて行かなくてはなりません。

長時間労働が横行しているのは霞ヶ関だけではありません。
働き方改革を無視した長時間労働を従業員に強いる民間企業も存在します。
もし働いている環境や残業時間に疑問を持つ場合には、労働問題に強い弁護士に相談してみてください。