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アイドマMC社長、しまむら社長のインタビューから読む業績と雇用問題

2021.03.23

ニュースを見れば毎日新型コロナウイルスの問題を取り上げ、そして企業が苦しんでいることを伝えています。しかし、その一方で日経平均株価はバブル以来の株高となりました。果たしてどちらが実態に沿っているのか?
実態調査をしてみました。
実は大幅悪化はそこまで多くない
以下のような調査結果があります。
これは2020年度の業績、つまりコロナ前と後ではどのように変化をしているのか調べたものとなります。

半数以上の企業でマイナスの影響が出ていますが、大幅に悪化をしていると答えか会社は5.5%です。
ニュースで見る印象より少ないと感じるのではないでしょうか?
大幅に業績悪化のアイドママーケティング 蛯谷貴社長インタビュー
業績苦境のアイドママーケティングコミュニケーション 代表取締役の蛯谷貴さんのインタビュー記事です。
コロナに強いとされていたスーパーをクライアントに持つIT企業が苦境です。
-この1年を振り返って欲しい。
「新型コロナウイルスによる影響は非常に大きかった。われわれの命題は顧客であるスーパーやドラックストアの集客を図ることだが、コロナ禍では3密(密閉、密集、密接)を避けなければならない。特売セールによる販促活動ができなくなり、4〜9月の売り上げは約4割減となった」

-小売店の現状は。
「徐々にセールを再開する動きがみられる。だが、第3波が拡大すれば予定していた企画を中止しなくてはならないため、様子を見ている顧客も多い。コロナ前のやり方に戻るまでには長い時間がかかりそうだ」

-デジタル化への取り組みを加速させている。
「注力しているのは小型の電子ペーパー端末上に商品の価格を表示する『電子棚札』だ。紙で作っていた値札や販促用ポップの電子化が可能となる。2019年に中国のシステム提供会社と資本提供し、今春から本格的な営業をスタートした。複数の実店舗で試験導入している」

-導入の利点と課題は。
「圧倒的な時間短縮効果があある。当社の調査では、値札の印刷や付け替えに費やす時間は1店舗で延べ13時間ある。電子棚札では一瞬で済むため、夕方のセールではこまめに値下げができるようになり、食品ロスの削減にもつながる」
「課題はやはり費用面だろう。単価は数百円から一千円程度だが、一般的なスーパーでは約1万2千種類もの商品を取り扱っている。5〜6社ある競合他社の中から当社を選んでもらうには、運用データの蓄積とアドバイス能力が必要だ」

-コロナ禍でテレワークに取り組んでいる。実施状況は。
「富山ではピーク時には約半数のスタッフが在宅勤務を行ったが、顔を合わせて話すことが大切だと改めて感じた。当社は社名の通りコミュニケーションを重視しており、個人的な思いとしてはアフターコロナになれば3密の中で仕事がしたい」

-創業から約43年がたった。
「創業の地である富山が当時24歳だった自分を育ててくれた。感謝の念でいっぱいだ。今後のポイント後継者の育成。苦労して東証1部に上々したが、22年春には市場再編が待っている。当社は現状では最上位市場にそぐわないだろう。最上位に残れるよう事業推進力を持ち、先頭を走り続ける次のリーダーを育てたい」
via 北日本新聞社 ウィズ・コロナ時代の戦略(15)アイドママーケティングコミュニケーション社長 蛯谷貴氏
コロナから復活をして絶好調なしまむら 鈴木誠社長インタビュー
コロナで勝ち組とされているしまむらの代表取締役の鈴木誠さんのインタビュー記事です。
巣ごもりで、リアル店舗が苦しい中で店舗で売上を確保しています。
――しまむらの既存店の月次売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大で前年同月比70%台まで落ち込んだものの、6月は127.0%、7月は109.1%と大幅に取り戻しました。

 緊急事態宣言のあった4月後半は客数が半分になり、最も売り上げが落ち込みました。しかし、ゴールデンウイークの後半あたりから少し様子が変わってきました。

 緊急事態宣言が解除されず、延長が決まった頃に、「もう我慢できないから買い物に行かなくちゃ」と消費者の方々が考えたのか、そのあたりから売り上げが回復してきたのです。(編集部注:政府は5月4日に緊急事態宣言を31日まで延長することを発表)

――来店したのはリピーター客ですか。

 そうとは限りませんでした。私たちは衣料品のインフラであり、地域社会に貢献することを意識し、可能な限り店の営業は継続したいと考えてきました。その結果、全体の3%に当たる商業施設内の店は休業したものの、その他の店は営業時間を短縮して営業を続けました。

 来店したのはどんなお客さまだったのかをSNSなどで聞いたところ、初めての来店客の他にも、「久しぶりに来た」という声をとても多く頂いた。5月、6月は客数が非常に増えました。

――都心部のアパレルの店舗は閉まっていましたからね。8月の売上高が前年同月比95.5%に落ちた理由は?

 8月に売れる場合は、6月と7月の販売に失敗したときです。昨年は梅雨明けが遅かったので、売り上げが高かった。実数で見ると今年の8月の売り上げは、社内計画を上回っています。

 逆に、早く夏物がなくなってしまったので、秋冬物を前倒しで展開しています。

しまむら社長が明かす、コロナ禍でも春物在庫を売り尽くせた理由 | 没落貴族 アパレル・百貨店 | ダイヤモンド・オンライン
「コロナ=苦境」という訳ではない
どの業界だから厳しいという訳ではなく、企業はそれぞれ逆境でも強く経営している会社は多い。
コロナだから業績悪いので整理解雇をする、とコロナを言い訳に解雇を正当化する企業も存在しています。自分の会社の状況をしっかりと分析できる目を知識は私たちは最低限持っていないといけません。

不当な扱いがあると感じたら弁護士に相談してみてください。